中世馬事情(九) 乗用馬

中世、乗用馬は様々な階層の人々により用いられ、そのため、品質や体格、調教において天地の差ほどの開きがあった。

騎士や貴族は、軍馬を戦争(実戦)の為に温存し、戦闘訓練のためには乗用馬を確保した。

馬の名称は品種ではなく用途によって示されていて、多くの馬がその生産地の名前で名付けられていた。例えば、ドイツではハンガリー馬が一般的に乗用に用いられた。

個々の馬はしばしば、その毛色や生産者、歩様(トロッターやアンブルなど)により識別された。

ポールフリーとして知られた乗用馬が、最も上質とされた。

他の乗用馬はしばしばハックニー(hackneys)と呼ばれ、現代のハック(hack)という言葉の語源となった。

女性はたいていポールフリーか、またはジェネットとして知られる小型で大人しい馬に騎乗した。

(十)へ続く
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