紋章院総裁/軍務伯 Earl Marshal

国王の閣僚(the Great Officers of State)の第八席。

大侍従卿と並んで1999年の法改正後も貴族院に世襲の議席を認められている。

紋章院の総裁で紋章院を監督する立場にあるがその一員ではなく、実務は紋章官に任されている。ただしイングランドにおいては紋章の付与は紋章院総裁の承諾なしには行えない。

紋章の付与、継承の証明、改氏名や儀式(戴冠式、王族の婚礼・葬儀、ガーターセレモニー、国会の開会式など)の管理を行う。
古く大司馬とともには軍事上の問題を取り扱う騎士法廷を管轄したが、のちに騎士法廷の審理対象が称号・紋章・口頭名誉棄損に限定される頃には大司馬も常任されておらず軍務伯のみが管轄することとなる。(騎士法廷は1955年を最後に行われていないが、制度上は存在している)
リチャード三世により紋章院が設立されると騎士法廷を管轄する軍務伯がその総裁に充てられ、紋章院総裁となった。

ジョン・フィッツギルバートが御馬卿(Lord Marshal)となったのが起源でその子で初代ペンブルック伯ウィリアム・マーシャル以降マーシャル家が世襲したが、継嗣が絶えた後、ノーフォーク伯バイゴット家、ノーフォーク公モウブレー家、ハワード家が継承して現在至る。

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