エリジオンなど

フランス語に馴染みのない方(筆者含む・・・orz)のため、当サイト掲載記事中に時折現れる短縮形「エリジオン」についてメモを作成した。

エリジオンについて(wikipedia日本語版)

leやdeなどの後の単語が母音や無声のhで始まる場合に母音の発音が省略される。

ものすごく簡単に言うと「そのままだと発音し難いので音の省略された」という事になる。

日本語にも存在し、当たり前だが、フランス語では無声音や表記の変化の仕方など条件や現れ方が、日本語とは異なる。

類似した発音の変化には以下の分類もある。

アンシェヌマン(wikipedia日本語版)
リエゾン(wikipedia日本語版)

以下に当サイトの記事で現れる可能性のある例を挙げて行く。

ヒュー・ダヴランシュ

チェスター伯爵となった人物。アヴランシュ子爵/伯爵。アブランシュ Avranchesの出身であり、ヒュー・ド・アヴランシュ Hugh de avranchesが、ヒュー・ダブランシュHugh d'avranchesと変化している。

デヴルー

エヴルー伯爵家の家名。ド・エヴルー de Évreuxから、デヴルー d'Évreuxとなる。 シャルル四世の妃ジャンヌ・デヴルーJeanne d'Évreuxなど。

アリエノール・ダキテーヌ

アリエノール・ダキテーヌ

アリエノール・ダキテーヌ Aliénor d'Aquitaineは、アキテーヌ公の息女でフランス王ルイ七世の王妃となった後、近親婚を理由とする婚姻無効(当時、離婚するための建前として良く利用された理由)となり、後にイングランド王となるアンジュー伯アンリ(ヘンリー二世)と再婚したことでアンジュー帝国の成立へと繋がった。

獅子心王リチャード一世や、欠地王ジョンらの母。 ド・アキテーヌ de Aquiaineから、ダキテーヌ d'Aquitaineと変化している。

レーグル

L'Aigle。フランスの地名。エーグル Aigleはフランス語で"鷲"(英語のEagle)。

レーグル(by google map)

ラーモリー

モンフォール城の天守閣跡

パリの西方45km、モンフォール-ラーモリー Montfort-l'Amaury。丘の上の城(Montfort)に城壁を築いたレニエ家系のモンフォール家のアモーリー Amauryの名に由来した地名。 ラ・アモリー la Amauryからラモリー l'Amauryか。

サンテブルー修道院

聖エブルー(Saint Evroul)が6世紀に創建し、ヴァイキングの侵略により破壊されていたが1050年頃、ド・グランメニル家の兄弟とエショフール卿ジロワ家の協力により再興された。

聖人の名に因んで名付けたが、Saintのtは通常無音でサンと発音され、続くエブルーEVroulは母音から始まるため、リエゾン(単独では語末の子音字は発音せず、直後に母音で始まる語が続く場合に無声だった子音が発生される)により「サンテブルー」という発音になる。

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