小説・コミック

『時の娘』(早川文庫)

ジョセフィン・ティ著/小泉喜美子訳 早川書房 ISBN978-4-15-072701-7

いわゆる安楽椅子探偵ものの名作。1951年発表というのでもう半世紀以上経っていますが、なにせ探偵役は入院中のベッドの上で身動きとれず病室の描写しかないので・・・あまり関係ないかも(退院するのは物語のラストで)。
全五作のシリーズものの四作目だそうです。最初の邦訳では江戸川乱歩が解説を書いていて激賞しているとか。探偵小説史上の名作の一つで、間違いなく面白いです。鯨統一郎氏の作品が好きな人は抵抗なく、そうじゃない人でも楽しめます。

つい最近イギリスで、不明だったリチャード三世の埋葬された遺骨が発見されて話題になっていました(色々な意味で)。
これについては当サイトでも取り上げたいと思っていて準備中ですが、お急ぎの方は秋津羽さんのブログ(『白い猪亭』参考サイトのページにリンクがあります)へ。さっそく取り上げられていました(さすが!)。

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『シャーロック・ホームズの愛弟子 公爵家の相続人』(集英社文庫)

ローリー・キング著/山田久美子訳 集英社 ISBN978-4-08-760514-3

数あるホームズ物のパスティーシュの一つ。シリーズものの六作目。
アクションとスリル、それに推理が本来のテーマのシリーズ(ホームズ・パスティーシュだから当たり前)ですが、貴族生活のリアルな描写の比重が結構あって興味深い作品です。
モデルになった公爵家はどこだろう?複数のモデルが合成されているかも知れません。日本風に置き換えると大名の国元のお城に招待されて事件に取り組む展開があります(これ位はあらすじレベルだけどこれ以上はネタバレかな)
ただし、これ単品で読むと感動が半減してしまうので少なくとも前作『エルサレムへの道』は読んでおきたいです。
この二冊で一つの話と思っておいた方がいいかも。
『エルサレム~』の方は後半~ラストでグワっと盛り上がるのですがそこに至るまでがテンポ的にちょっと苦痛・・・でも最後でちゃんと満足させてくれるので頑張って前半を耐えましょう!

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『エマ』『シャーリー』(ビームコミックス)

森薫著 エンターブレイン

説明いる?いらないよね?メイドスキーのバイブル(わが性癖大公開の巻・・・)

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小説『アーサー王物語』

バーナード・コーンウェル著/木原悦子訳 原書房 全6巻

キャメロットの位置をサマーセット辺りに設定したりアーサー王の側近ベディビエールがダーヴェル・カダーンに置き換わったり、はたまたベノイク王国(ランスロットの母国)がモン・サン・ミシェルをモデルにしていたりとなかなか大胆なフィクションを作り込んでいるが古代ブリトン人の風俗・習慣についての考察や描写には深いものがあり一つの見どころとなっている。ランスロットの扱いがヒドイのでランスロット贔屓の人には向かないかも(笑)

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『ヴィンランド・サガ』(アフタヌーンKC)

幸村誠著 講談社

主たる題材は「ヴァイキング=ノルマン(ノルド)人」ですが、17~54話が「ブリテン編」としてイングランド・ウェールズを舞台にクヌート大王のイングランド支配までを描いています。ノルマン征服の前史がよく分ります。現在単行本が15巻まで発売中、今月(2015/6)16巻が発売予定。発売中。

なお特徴あるキャラクターの一人、トルケルさんは一応実在の人物ですね。Thorkell the Tall(wikipedia英語版)(ネタバレかもしれません・・・リンク先を見に行くのは自己責任でお願いしますよ)

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『折れた竜骨』(東京創元社)

米澤穂信著 東京創元社
単行本ISBN978-4488017651
創元推理文庫(上巻)ISBN978-4-488-45107-3(下巻)ISBN978-4-488-45108-0

「氷菓」(古典部シリーズ)がアニメ化されて認知度がかなり高まった作者ですが、やはり本格推理作家。
本作は「中世イングランド」「魔法」「推理」という「混ぜるな危険!」なテーマに挑戦する意欲作(?) 「魔法」=なんでもあり、な状況で果たして「推理」が成り立つのか!?それで推理小説が作れるのか!?
・・・作れちゃいましたねぇ~さすがプロ作家。この作品は第64回日本推理作家協会賞受賞だそうです。
安心してお読みください(笑)

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